ピグミー
小人の一族。
指先から肩肘の長さを意味する言葉が由来。
ナイル川の水源の近くに住んでいた。一説にはインドとの情報もあり。
ホメロスによれば毎年冬が近づくとピグミーが戦争の準備を始めた。
というのも冬には鶴がやってきて収穫前の小麦を食べてしまうからであった。
特徴的な彼らは様々な芸術においても取り上げられた。
ある話ではピグミー達は眠っていたヘラクレスへと進撃を始めたが、ヘラクレスは獅子の毛皮でできた着物でピグミー達を包み込むとエウリュステテウスのところへ連れて行ったという。
【出典】『ギリシア神話』
【関連用語】ヘラクレス、エウリュステテウス
【補足】
ピグミーはギリシア神話ではある一部族を指す言葉であったが、後に小人族全般を指すようになった。
本当に小人族は存在するのかどうかは長年議論の対象になったらしく、単なる神話上の作り話なのかそれとも本当にそういった民族が存在するのかで論戦が続いた。特に17世紀から18世紀になると植民地がアフリカやイ南米などの世界に広がり目撃談が増える。
ただそれらの目撃談は人間ではなく他の霊長類の見間違いだったのではないかと言う説もあり、その路線からチンパンジーの小型のものをピグミーチンパンジーと呼んだり、ボルネオオランウータンの学名にピグミーが入ったりと言う事態になった。
詳細な研究が報告は20世紀も中頃まで待たねばならなかったそうだ。現在での小人族の総称はピグミーではなくネグリロだそうで身長は最高150cmにも満たない。
また身長が著しく低くなる症状の疾患をまとめた小人症というものがある。
ちなみに任天堂から発売された「ピクミン」にはピクピクニンジンに似ているとされる植物型宇宙人?が登場する。全体的に小柄で頭に葉っぱや花がついた独特のフォルムをしている。赤、青、黄などのカラーリングがありそれぞれ固有の能力を発揮する。
大群をなして敵にぶつかっていく様は、まさに鶴を相手に奮闘するピグミーを彷彿とさせる。ゲームにこういった神話のキャラクターから名前をとることは多いのでもしかしてと思って調べてみた。
しかし調べてみるとピクミンの名前の由来は最初は数が多いので1匹、2匹から派生して「ピキ」となり、それだけではということで「pick me」という言葉と合わせたそうで全くの無関係であった。
偶然にしては面白い一致である。